古くからの友人

 

阿部君

 

若い頃、プレリュードに乗り、サーフィン、スノーボード、海外旅行と 典型的なアクティブスタイル

 

かなりアンダーグラウンドな「走り屋」というカテゴリーに属していた私とは友人でありながらも一線を画した仲だった。

 

今、思い返せば掃除のバイトやドライアイス梱包のバイト等一緒にやっていたっけ

 

もう 随分の前の事で記憶も薄い

 

そういえば就職試験も一緒に名古屋まで行ったんだ。

 

そんな阿部君の職業は印刷屋さん

 

気が付けば名刺で世界を救うとか言って本気で走っている。

 

当然、うちの名刺や印刷物は日新堂印刷

 

「エコ名刺」で検索するとTOPでヒットする。

 

聞けば、指折りの大企業も日新堂のエコ名刺を使っていて、本人は全国と世界を飛び回っている。

 

年末に電話がきた。

 

12月の22日だったか23日だったか・・・・・

 

「ぶつけてしまったキャンピングカーを修理できないか?」

 

うちのお客さんは鈑金屋さんもいるから大歓迎だけど?

 

「本当!・・・・・ たださぁ・・・・年内に直らないかなぁ・・・」

 

えぇ?年末だよ・・・事故状況にもよるけど部品がなければアウトだよ。

 

「ディーラーにきいたらヘッドライトが1月中旬だって言うんだよ。愛知には在庫があるのに1月中旬じゃないと入荷しないって」

 

まぁ、年末だから普通はそうだろうねぇ。

 

「でもさぁ、名古屋にあるんだよ。取りに行けばすぐだよね。」

 

そりゃそうだけど、誰が取りに行くの?

 

「俺、取りに行くよ。飛行機ですぐでしょ」

 

何?何?そこまで緊急なの?

 

「そうなのさぁ。お客様との約束だから1月1日からは絶対に使いたいのさ」

 

いやぁぁぁ・・・・できる男はガッツが違うね。 よし、わかった。鈑金屋さんのお客さんに聞いてみる。

 

「ありがとう」

 

通常なら年明けの修理をなんとか頼み込み年内修理

 

 

 

 

 

 

阿部君はキャンピングカーのレンタル事業も始めており、基本の基本である約束は絶対に守る。

 

 

 

何か仕事に向き合う姿勢を考えさせられた年末だった。

 

 

 

 

 

年は明け

 

 

「山、年末はありがとうね。本当に助かったわぁ」

 

いやいや、俺は何にもしてないわ。

 

「それでキャンピングカーなんだけど鍵の交換できるかなぁ?」

 

え?事故修理と関係のある鍵?

 

「いや、まったく関係ない。ドアの鍵が開かないらしんだ」

 

なるほど、じゃぁ乗り降りはできるけど、不便だから鍵を直したいって事ね。大丈夫だよ。

 

「たださぁ、車がニセコなんだよねぇ」

 

・・・・・・・・・え? 何? まさか・・・・何?俺にスキーでもさせる気か?

 

「違う車で鍵交換のシミュレーションまではやったんだけど、ちょっと時間がなくてさぁ・・・」

 

いやいやいやいやいや、行けって言うんなら行くけどさぁ、ブログに書くよ。

 

「キャンピングカーの客室ドアが開かないからユーザーさんが運転席を通って乗り降りしてるのさぁ

まだこの先ずーっとご使用される予定だから 不便をおかけするわけにはいかないのさぁ」

 

 

 

 

阿部君・・・・・・君は本当に地球を救うかもしれない・・・・

 

 

 

 


 
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